今回ご紹介するのは蛍石です。なんだかロマンチックな名前ですね。
様々な色合いを見せてくれるので、気が付くとコレクションが増えてくる種類の鉱物です。
フッ素とカルシウムからできている安定したハロゲン化鉱物です。英語名では「Fluorite フローライト」はラテン語の融かす(fluor)nに由来の熔かすという意味からきています。実際に溶鉱炉では製鉄時の溶融温度を下げる熔剤として使われていますが、フッ素のもつ環境問題があるために使用料は減ってきているようです。
フッ素といえば、最近話題に上がった超高純度フッ化水素があります。フッ化水素自体は人体に猛毒でしたね。様々な電子部品製造に欠かせない化学製品です。
一方、歯の健康に役立つフッ素入りデンタルケア製品もあります。焦げ付かないフライパンや鍋のフッ素加工製品は凹地にあるはずです。テフロン加工ですね。
登山者も身に付けている方も多いはずです。そう、ゴアテックスですね。ポリテトラフルオロエチレン「PTFE」を原料に特殊加工したものですよ!最新素材と思いきや1969年に偶然から発明されて、半世紀に渡り日々改良され続けてこられたお役立ち素材です。
無色のタイプは紫外線で発光することが多いですが、カラフル系は蛍光現象が起きませんね。この現象から蛍石という和名が名付けられました。蛍光を意味する fluorescense の語源でもあります。
主成分はフッ化カルシウム(CaF2)。等軸晶系。立方体や八面体になることが多いようです。水晶をセンターにして、モコモコと青い蛍石が覆っている変わり種もあります。
色は基本の無色系ですが、少し薄汚れた柱状に成長した変わり者もあります。
微妙に含まれる希土類元素不純物により黄、緑、青、紫、灰色、褐色などを帯びます。
写真好きならレンズにもこだわりポイントがあるかもしれません。最近はデジカメの高機能化が進んでレンズ素材も大きく様変わりしているようです。
レンズは光を通すと波長の違いによるスペクトル光が生じ、焦点のズレなどが生じる色収差が発生し、特に望遠、超望遠レンズでは焦点距離が長いため、色収差が顕著に現れます。
写真レンズは屈折率やスペクトル光のずれ具合の異なる素材を使ったレンズの組み合わせによって色収差を補正していますが、蛍石(フローライト、フッ化カルシウム)は通常の光学ガラスと比較するとスペクトル光のずれが異常に少ないため、通常の光学ガラスを用いて同等の色収差補正を実現するよりも小型・軽量化しやすくなります。しかし蛍石は研磨が難しく割れやすいく、コストも高いので、最近では蛍石と似た低分散性を持つEDガラスを用いたEDレンズが開発されています。
ではまた!
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