アングレサイトです。組成的には硫酸鉛ですからありふれた元素ですが、非常に稀な鉱物です。手に入れたくて長年チャンスを探すのですが、きれいな輝くような結晶には中々お目にかかれないです。
生体に有毒なのに大昔から付き合いが長い鉛の鉱物、最近ではすっかり表舞台から姿を消しています。誰だって鉛中毒なんて嫌ですものね。
重さが重要なダイビング用の「おもり」やさび止め塗料の一部で使われているかもしれません。
その中でも最も美しいと思っている鉛の硫酸塩鉱物である硫酸鉛鉱(PbSO4)です。
鉛はバッテリーに必須な鉱物で長く私たちの日常生活向上に役立ってきました。今ではその主役はリチウムなどにとって代わられつつあります。
柔らかく加工し易いので、長く水道管として用いられてきたので、未だ知らず知らずに地中に埋もれているかもしれません。1995年には全面使用禁止となっています。
鉛が生体への毒性をもつのは、皆さんもご存じの通りです。しかしながら、鉱物収集家にとって、鉛を主成分とする鉱物はその重量感、照り輝く結晶は魅力的です。
地味で黒い方鉛鉱(PbS)が酸化して生じる硫酸鉛鉱は黄色く光り輝く姿は何とも言えぬ美しさです。普通、酸化するとは「錆びる」ともいうので、酸化して光り輝くとは意外です。
方鉛鉱からできる炭酸塩鉱物が白鉛鉱でこちらもクリスタルガラスのように光り輝きます。これを粉末にした白い顔料を鉛白といって白粉として用いられたとは隔世の感があります。
余談ですが、伊勢白粉とは中央構造線に沿って産出した水銀から作った塩化水銀で、どうも私達人類は鉛や水銀等加工し易く、重たい金属をありがたく感じ、毒性に鈍感の様な気がします。金(GOLD)にさせようとした錬金術が化学技術の発展に貢献したというのも興味深いです。
鉛を含む鉱物には色鮮やかなものも多いのでまた、ご紹介しますね。
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