スズ、錫の化学記号はSn、融点は約232度です。青銅ブロンズは錫と銅合金です。前回ご紹介した「銅」と共に青銅器時代の主役の金属です。青銅とは銅90%とスズ10%の合金です。
スズの主な鉱石はスズ石、(SnO2)cassiterite キャシテライトです。
武器や祭祀、銅鐸、農機具などに使われてきました。もう一つの主役の用途は「貨幣」です。
中国産のスズ石です。白い鱗片状の白雲母のほうが目立ちます。
こだわりの錫カップなど自宅で使っている方もいるでしょう。左は本錫のタンブラー、右は開花堂の錫茶筒です。
鉄材にメッキしてブリキとして缶などに使われます。「ブリキの玩具」といわれるようにあまり高級品のイメージはありませんが、缶詰に使われるなど私たちの生活に欠かすことができない重要な鉱物です。
私たちの身体にも含まれる必須微量元素のひとつです。一方、現在使用禁止となっている有機スズ化合物(トリブチルスズ)は生物に有害で船体に生物付着防止剤などにも使われていました。
スズと鉛の合金は「はんだ」に使われていましたが、現在は鉛を使わない「鉛フリーはんだ」に変わっています。
結晶は褐色から黒色で光沢が強いですね。比重が高く風化にも強いので、川底に溜まる二次的にできた鉱床がマレー半島にあります。
黒光りして、ずっしりした塊が銀色に輝くスズになるのが不思議ですね。
錫の工芸品も素敵ですよ。
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