人目に付きにくいけれど妙に存在感があるウマノスズクサ科の植物を三つご紹介します。地味な色味ですが、緑濃い里山の中、よく観察すると見つかるかもしれませんね。
2021年6月の六甲山ミステリー企画ではこの「アリマウマノスズクサ」の自生の姿を観察するのも目標なのです。 ⇒ 企画内容
トップバッターは「アリマウマノスズクサ」
名前に有馬がつく六甲山に所縁ある植物です。ジャコウアゲハの食草としても知られています。
牧野富太郎博士が有馬で採取して命名した事でも有名です。
濃い紫色の花と筒内が黄色が特徴です。
まだ花は閉じています。
葉っぱはミッキーマウスのようですね。
すでにご紹介している「ウスバサイシン」
漢字では薄葉細辛、ウマノスズクサ科カンアオイ属に分類される多年草です。
根および根茎は解熱、鎮痛作用がある細辛(サイシン)という生薬ですが、葉っぱにはアストロキア酸という毒があります。
ヒメギフチョウの食草です。
葉っぱの裏にヒメギフチョウの卵が産みつけられているのが見えるでしょうか。
三番手は「フタバアオイ」
ウマノスズクサ科カンアオイ属に分類される多年草です。葉はハート形をしており、いわゆる『三つ葉葵』のモデルとしてよく知られています。
京都賀茂神社の葵祭で用いられることからカモアオイ(賀茂葵)の異名もあるそうです。
お花はお椀を伏せた感じです。萼片は淡紫色で花柄には毛が生えています。
因みに徳川家の御紋の「ミツバアオイ」は実際に存在しません。
ウマノスズクサ科の植物たちは地味で見つけにくいですが、身近な野山に生えているかもしれませんね。
足早に通り過ぎてしまうのはもったいないですね。森の中には色々な発見があります。
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